こんにちは、ツネオキです。
これからカーディーラーに転職を考えている人やすでに自動車販売店で営業職についている人でなかなか年収が上がらないと悩んでいる方にオススメの内容です。
本題に入る前に・・・
私は、地方の自動車販売店で営業の経験があります。私が勤めていた店は来店型の店舗で、外回りの無い会社です。
来店客が見込み客ですので、飛び込み営業と違い玄関先で追い返されるなんて言うことはありませんでした。
営業成績は年間150台~200台程度だったと思います。月間で最高30台ということもありました。
恵まれた環境だったのだと思いますが、その経験を元にこれから年収アップを目指すみなさんのお役に立てればと思います。
前置きが長くなりましたが、本題に写ります。
販売店の店長や経営者の方も勉強になる内容ですのでメモをして実際に練習してみましょう。
自動車販売店の営業における心得
主に来店型の販売店で働かれる営業の方向けの内容となります。
実際の営業の流れに沿って書いていきますので、これから転職されるという方にはイメージしやすいと思います。
冷やかしだけで来店するお客様はいない
ご来店のお客様に初めてお会いする瞬間はどこでしょうか?
中古車販売店なら展示場の駐車場でしょう。
カーディーラーなら駐車場もしくはショールームに入って来られたタイミングになります。
この時に、どうアプローチするかでその後の流れが大きく変わります。
この時の心得は、自動車販売店に冷やかしのお客様はいないということです。
「ちょっと見るだけ」と仰るお客様はいます。でもそれは言葉だけです。
誰も「車買いに来ました」とは初対面の人に言いませんから。
売れないスタッフのよくある言い訳が「冷やかしでした」とか「見るだけでした」「カタログ欲しかったみたいです」というものです。
よく考えてください。
誰が暇つぶしに自動車販売店やカーディーラーに新規客としていきますか?
もともと馴染みの常連の方なら別ですが、初めて入るお店で冷やかしはありえません。
すべてご来店のお客様は見込み客だと考えてください。
この意識が薄いと、買う気のあったお客様も帰ってしまいます。
ご来店のお客様は必ずどこかで車を買うものだと頭に入れておいてください。
挨拶する前にお客様を好きになろう
「あってもいないのに人を好きになるってどういうこと」と疑問に思う方もいるでしょう。
全てはご契約をしていただいて帰ってもらうというゴールから逆算した心理です。
もう少しわかりやすく言うと、
例えば、ご来店お客様と挨拶した際に、
「車選びに来たんだけどイイのない?」
とか
「ホームページに掲載のあった〇〇を見たいんだけど」
とおっしゃったらどんな気持ちになりますか?
多分心の中で
「よし!買う気満々じゃないか。しっかりと契約に結び付けよう」
という風に思うのではないでしょうか。
それでは逆に、
同じくご来店のお客様に挨拶した歳に、
「・・・・・」無言で難しい顔で挨拶を返してもらえず、
展示場をウロウロする方ならどんな気持ちになるでしょうか?
おそらく心の中は
「うわー気難しい感じの人だな~ちょっと苦手かも」
という風になったりしないでしょうか。
営業スタッフもお客様も人です。
相手に好意を示されれば気分がよくなります。
反対に嫌悪感を感じさせられると気持ちが沈みます。
例文は誇張して書いているようですが、意外とこれが現実です。
私の肌間隔ですが
割合は、好感:普通:嫌悪=2:3:5 くらいに思います。
自動車はとても高い買い物です。
最初から心をオープンにさわやかな天使のようなお客様が現れるのは稀です。
ただ、何年もしていると紹介のお客様が増えますから大丈夫です。
自動車販売店の営業職で成果を出し続けて年収を上げるためには、
商談に入る前の入り口でつまずいていては難しいです。
お客様は来店時は、何らかの警戒心や不安を抱えているのが普通です。
そこでオススメするのが、「挨拶する前にお客様を好きになろう」ということです。
これは営業のプロとしてスイッチを入れるものです。
いい営業スタッフを演じるとも言えます。
どんなお客様であろうと、ネガティブな先入観を持たずに接することが大切です。
そして出来ることなら、何かお客様の特徴を見つけて好きになった状態で挨拶するのです。
「スタイルいいな~」「ダンディーでかっこいい」
「かわいいお子さんだな」「服のセンスがいい」
というような、単純だけど好意的な印象を頭に入れてから挨拶しましょう。
想像が正しい必要はないのです。これは先入観を取り除く儀式みたいなものです。
あまり時間はありません。観察できるのは数秒から数十秒まででしょう。
「こんにちは!ご来店ありがとうございます。本日のどういったご用件でしたか?」
この誰でも使っていそうなフレーズでアプローチすることが無難です。これは駐車場でお出迎えしたケースになります。
注意しないといけないのは、明らかに新車のカタログを見ているとか中古車の展示場で車を探している方に、
「どういったご用件ですか」と聞くのはセンスないと思われるので、そこは工夫していきましょう。
褒めっぱなしトークをさわやかに。
先ほどの続きです。
乗って来られた車が綺麗に洗車されていれば、「車大切にされてるのですね」など褒めます。
褒める時にはリアクションを求めないようにしていました。
勝手に褒めるだけです。お客様も営業トークだと思ってます。
でもそれでいいのです。
お世辞でも、ご機嫌取りでも、褒められて気分が落ち込む人はいません。
ただ、お客様に喜んでもらい笑顔になってもらえればGOODです。
ここで変にリアクションを求めると変な空気になるので、さわやかに言いましょう。
車に乗って来られなかったら、服装、バッグ、時計、眼鏡などなんでもいいです。私はこれが得意でした。
もう一つおまけに例をあげると、
ご夫婦らしきお二人なら、「お二人とも素敵ですね!ちょっと見とれてしまいました」
なぜか営業の時はスイッチが入って言えたものです。いい営業スタッフを演じる感覚ですね。
ささやかな日常会話でバリアを取り払う
挨拶が終わったところで、すぐに「何をお探しですか?」本題に入る営業の方がいます。
別に悪くはないですし、そのままトントン拍子で契約になることもあります。でも年収をあげたいなら、「たまたまの運」にかけていてはダメです。
ここはセオリー通りに行きましょう。
慣れない最初のうちはお天気の話が無難だと思います。
「今日はいい天気ですね~」「今日は一日雨ですね」「ずいぶんと暖かくなってきましたね」などです。
ややこしいテクニックはいりません。苦手なら天気ネタだけでも十分です。
野球のピッチャーと同じですね。あれこれと変化球覚えるより、直球とスライダーの2つの球種を磨き上げたほうがいいです。
その後も何度か会話をしていきましょう。
コツは出来るだけ簡単な質問や投げかけです。
お客様の返事は「そうだね~」と相槌を打ってもらえればGOODです。
お客様が購入を検討しているきっかけをつかむ
これはとても重要ですね。
ここから情報収集です。
会社によって商談フローは違います。
すぐにテーブルへ誘導し着座してもらってアンケートを書いてもらう会社もあります。
中古車展示場なら外でそのまま話すか、一旦店内に誘導するかも分かれます。
会社によって手法は異なっていてもやることは同じです。
まずは購入を検討するきっかけを質問していきましょう。
「そんなの簡単に聞けないよ」という方、安心してください。失敗はありません。聞けなかったら、商談が終わりではないですから。
まず、乗り換えか、増車か、初めてか、の3つくらいに分かれます。
前の段階で雰囲気が少し和らいでると感じたら、
「今回はお乗り換えをご検討ですか?」という質問をします。
変に探ろうとしないで素直な質問でいいと思います。
当然、大学生くらいの息子さんをつれたご家族なら、初めての車の可能性が高いです。
そこは察する能力は必要です。これは1年も経験すればつかめます。
お客様の答えが「乗り換え」なら、今乗っている車の不満を聞いてみます。
「今お乗りのお車で何かご不満がありますか」という風です。
お客様の答えが「増車」なら、ご家族で誰が乗る車を検討しているのかを聞きます。
「どなたがお乗りになるお車をお探しですか」という風です。
このステップは外せません。
必ず上手くタイミングを掴んで、聞いておきましょう。
そうしないと的外れな商談で、最後にずっこけます。
いかがですか?意外と聞けるものです。
ここまですぐに実践出来たら素晴らしい才能をお持ちです。
ぜひ営業職の楽しさを探求してがんばりましょう。
必要な基本的な情報を収集する
「抜け漏れなく聞くぞ」と肩に力をいれるとお客様に伝わりますから、自然体でいきましょう。
必要な情報を書き出してみます。
- 新しい車は誰が乗るのか(名義は)
- 下取車は何
- お住いの住所(車庫は)
- 支払方法
- 購入の決定権は誰(お金の決済)
- 車種の決定権は誰(車選びの中心)
- 車の使用用途
- どんな車が欲しいか
- おおよその予算
- いつ頃欲しいか
必要な情報は以上です。
商談時にアンケートを使う会社なら、お名前、住所、電話番号などの基本情報は書いてもらえます。
ただ、この段階でもまだ店内にいないこともあります。中古車展示場なら外で情報取集することもあります。
ちなみに、私が中古車展示場で商談する際は、すぐに店内に入ってもらうこともあれば、展示場でほとんどの情報を収集し購入車種も絞り込んでから入店してもらいます。
ケースバイケースで臨機応変ですのでノウハウを文章化するのが難しい部分です。
言えることは、
ご来店されたお客様がお子様連れなら、常にお子様のご機嫌をチェックを怠りません。
店内にキッズルームがあるならそちらを案内するのも喜ばれます。
高齢の両親を一緒にお連れなら、店内で休んでもらうこともあるでしょう。
常に営業スタッフの動きは、お客様ファーストの意識で、営業スタッフの都合で指示されたと感じさせないことです。
お客様に喜んでもらう、好きになるという気持ちを持ち続けましょう。
情報収集の項目で抜けがあると後で手詰まりになりやすいです。急がば回れです。
車種を選び切る
さあ、本格的な商談スタートです。
新車なら一通りショールームで車を見終わった頃でしょう。
試乗から帰ってきたころかもしれません。
「よし見積りするぞ」意気込んでしまいやすいですが、まだ早いです。
ここはまだ見積りを出すタイミングではありません。
新車であれば、1車種に絞り込まれただけでしょうから、ここから詳細を選んでいただきます。
(リースなどの場合は少し手順が変わる場合がありますが基本は同じです)
- ボディーカラー
- 内装色
- グレード
- メーカーオプション装備
- ディーラーオプション装備
- 支払方法(ローンの場合:頭金、月払いの想定金額)
ここを決めきれずに、「とりあえず見積ちょうだい」と言われるかもしれませんが、基本的に飛ばさないほうがいいです。
見積書を提示する
ようやく、見積書までたどり着きました。
ここまで滞在時間30分~1時間ほどでしょうか?
家族連れならもっと長いかもしれません。
でもそれだけ長く滞在いただけるというのは自信を持っていいでしょう。
見積には、会社のおすすめオプション等もあるなら一旦はすべて含んだ見積がいいと思います。
後から足すと金額が上がるので、心理的に追加しにくいからです。
オプションを削って予算を下げるのは簡単ですからそのようにするのがいいですね。
お客様と営業スタッフの喜びのピークを合わせる
お客様満足は「いい買い物だったわ」と実感してもらうと同時に、納車時にそのピークを迎えます。
一方、営業スタッフは契約書にサインしてもらった時がピークになりやすいです。
ですから、商談を急ぐあまり「多少値引すれば買ってもらえるだろう」というところに行ってしまう人がいます。
以下二人のお客様を比較してみてください。
オプションを削って、グレードを下げて安く買ったお客様
しっかり吟味して、納得のグレードとオプションをしっかり付けて購入したお客様
どちら納車時さらにその後のカーライフで満足頂けるでしょうか?
車は高い買い物です。一度買えば7年~10年くらい乗られます。
納車以降により満足していただけるお客様を増やすことが、優れた営業スタッフです。
それは年収となって現れます。
強引になったり、急いでしまっては良い人間関係が構築されにくくなります。
目先の契約ばかりに集中しすぎると決まりかけた商談が流れてしまったりします。
常に心にゆとりをもって商談していきましょう。
仮クロージングを覚える
「いかがですか」「買っていただけますか」では、
買うのか・買わないのかの選択を迫っているのと同じです。
ここで重要なのが仮クロージングというものです。
クロージングとは契約締結のことです。営業職の専門用語です。
では仮クロージングはなんでしょうか。
私の定義は購買意向の確認です。
実は、情報収集の段階から始まっています。
登録名義や車庫を聞くのもその一つです。
質問は「もし買うとして(契約するとして)〇〇〇はいかがしますか」という意図があります。
「〇〇〇」のところに聞きたい情報が入ります。
直球に聞いてもいいですし、間接的に聞くこともできます。
契約前に納車の日取りの話をすることもあります。
この話に真剣に答えて頂ければ確率は高いですね。
このように、しっかり熟成させてから最後のクロージングへと向かいます。
ちなみに、私はクロージングが苦手でした。
だから仮クロージングに力を入れました。
クロージングは、黙ってニッコリという具合です。
お客様が悩まれたりしていた場合は、お連れの方と談笑していることが多かったです。
基本的にその日に契約をもらうために商談する
この意識が大切です。
そうすることで、情報収集をしっかりしますし、その日に決まらなかった場合でも解決できなかった購入へのハードルなどが明確になります。
そうすれば、次回のアポを取った状態で一旦、ご帰宅いただけます。
その後はフォロー活動で成約に結び付けます。
最初から、「今日は見積まで」と決めて商談していると、その商談はフォローしても決まりにくくなります。
情報収集も抜けがあったりもします。
「ご検討よろしくお願いします」の決め台詞でお返ししてしまうと、
次来店してもらうキッカケを作りにくくなります。
夜遅くご自宅へ行って粘り倒すというのも営業手法ですが、最近は少なくなってきました。
会社の営業ポリシーに合わせた活動を心がけましょう。
来店したお客様は車を買いに来たお客様です。見積だけを収集している人はいないですね。
繰り返し反復練習と実践でPDCAを回す
ここまででが、契約までのお話です。
一つ一つ何度も試してみてください。
自分の言葉で自然にでるフレーズを見つければとても商談が弾みます。
プロセスの精度を上げていけば契約が取れる確率も高くなります。
そうすればインセンティブや賞与もおのずと増えて年収も500万、600万と徐々に上がっていくのが楽しくなってきます。
周りのライバルと競争するのもいいですが、自分で目標を立てて、毎月PDCAを回すことが大切です。
今月のうまくいかなかった点、良かった点を振り返り蓄積していくことが大切です。
いずれリーダー、店長と役職を目指すならそういう自己研鑽の蓄積が部下育成の場面で生かされます。
企業にとって人を育成できる人は大変貴重です。お客様満足を作り、会社の中でも存在価値を高めていきましょう。
売ることよりも、売った後が大切
ここからが本番です。
1度購入していただいたお客様から紹介や家族の乗り換えなどのお話が入ってきます。
でも誰でも紹介がもらえるということはありません。
納車までの中間報告、納車後の定期点検、メンテナンスなどのフォローが欠かせません。
ただ、単にハガキを書いて電話するだけでは紹介の話が出てきません。それはなぜでしょうか?
お客様が紹介の話を出すタイミングがないからです。
ですから、お客様の仕事、家族構成、趣味、こだわりなどをリサーチしておきます。
ノートにメモしておくのでもいいですし、記憶するだけの人もいます。
私は記憶だけ派です。結構覚えているものです。
楽しく会話し、お互いに余韻が残る商談なら記憶に定着しやすいと思います。
脳科学者ではないので想像ですが、
人は嫌なことか楽しかったことのどちらか感情が動いた経験なら記憶に定着させやすいと思います。
当然一回の商談だけでずっと会わずにいたら忘れますから、点検の時は積極的に会話し雑談しましょう。
そうすることで、紹介の話が出てきたりするものです。
「あの人に良くしてもらったから」と言っていただけるように常日頃から心がけましょう。
これから自動車販売店の営業に転職を検討している人へ
次の項目をチェックして自分に合いそうな会社を探してみましょう。
営業スタイルを見極める
来店型か訪問型
高級輸入車やディーラーの中には、まだまだ外回りが主のスタイルもあります。
自分が合わせられるスタイルを選ぶといいです。
企業の収益バランスを把握する
車販売が主か、メンテナンスなど整備が主か
車販売メインでアフターメンテナンスが少ない会社は、
お客様に何度も足を運んでいただくキッカケが少ないので狩猟型営業になりやすいです。
一方、アフターメンテナンスがしっかりしている会社は、農耕型営業です。
農耕型の会社で営業スタッフは成果が上がりにくい印象です。
自分の意志と自発性がカギとなります。
最近のディーラーは、狩猟型+農耕型のハイブリッドで経営の安定を図っています。
そういう会社は景気が悪くても強いですね。
ただ、何かと忙しいかもしれません。
働く社員の雰囲気、人柄をみる
個人主義かチームワークか
ガツガツ稼ぎたい人は、個人の成果主義の方が気が楽でいいかもしれません。
対してチームワークを重んじる会社は社風がいい場合が多いです。
残業と休日を考える
残業時間は長すぎないか、会社の休日に合わせられるか
自動車販売店は土日が一番来店が多いです。
ご自身のライフスタイルをどれだけ譲れるか、無理をしすぎても長続きはしませんから考えましょう。
給与面を見る
インセンティブの割合が高ければ、高収入を狙えます。
ただコンスタントに良い成績を出せないと給料が上がらないばかりか、
会社に居りずらい雰囲気になるかもしれません。
ここもワークライフバランスを自分で考え決めましょう。
最後に
いかがですか。少し成果が掴めるコツがわかってもらえたでしょうか?
営業職のスタイルは十人十色で様々な成功事例があります。
正解を探すのではなく、成功を探求していきましょう。
これからも有益な情報を発信していきます。