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2020年4月のJATO欧州新車販売状況レポート

自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedが、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。

 

目次

2020年4月の欧州新車市場は大きく減少

20109年4月期の新車販売台数は134万台であった。対して2020年4月は292,600台となった。78%の減少である。この数値は月次台数として過去50年間で最低水準の結果であり、中国、北米と比べても最も厳しい結果となっている。

新型コロナウイルスによる外出自粛、ロックダウン政策が主たる要因である。特に厳しい政策を取ったイタリア、イギリス、スペイン、フランスの4か国の販売台数は95%ダウンの34,000台留まっている。

電動車のシェアが拡大

2020年4月市場全体における電動車のシェアは17%、全体が78%ダウンの中、電動車は46%の減少で踏みとどまっている。

ここでいう電動車とは、ハイブリッド車(HEV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)、ピュアEV(BEV)の3つのカテゴリーに分類される。

ガソリンエンジン車の延長に近いハイブリッド車の台数は前年比66%減少であったが、ピュアEVは29%減少、プラグイン・ハイブリッド車は7%増という結果を出している。各国の補助金政策効果もあり5月以降もシェア拡大すると推測される。新型コロナウイルスが電動車へのシフトを加速させるきっかけになることは間違いないだろう。

セグメント別のランキング上位も軒並み大きく減少

各セグメントのTOP3のモデルについても市場同等65%~80%の減少をしている。その中でMercedes S-Classの52%減少、Porsche911の55%減少、BMW X3の41%減少と3モデルは健闘していると言える。

また、VanセグメントのTOP2もそれぞれFiat Ducatoの55%減少、Volkswagen Caddyの59%減少と健闘している方だろう。

販売台数が増加したのは433モデル中13モデルのみ。
その一部内容は以下の様になっている。

メルセデス EQCが42台から409台 EV SUV
ポルシェ カイエンクーペが68台から210台 SUV
シュコダ スカーラ(Skoda Scala)が713台から1,673台
BMW X7が202台から341台 SUV
アウディ e-tronが963台から1,307台 EV SUV
メルセデス GLEが1,047台から1,272台 HEV SUV
BMW X6が405台から471台 SUV
メルセデス GLSが174台から195台。SUV

SUVの健闘ぶりが光る結果となっている。特にメルセデス EQCは販売台数が大幅に増加している。政府の補助金政策を追い風に5月以降も販売台数を伸ばすだろう。

電動車カテゴリー別ランキング

ハイブリッド車(HEV)の上位4モデルをトヨタが独占しているが、HEVカテゴリーは欧州各国の電動車補助金の対象から外れているケースが多く全体として市場が縮小している。欧州での主戦場がピュアEVとプラグイン・ハイブリッドにシフトしていることが伺える。世界的にもこのような流れになるとするとトヨタとしても苦しい状況だろう。

JATOについて

JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。

■その他レポートはこちらからご覧いただけます
https://www.jato.com/japan/media-insight/

お問い合わせ先

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113-0024 東京都文京区西片 2-22-21 本郷MKビル2F
Web: www.jato.com/japan/
Tel: 03-6801-9551
(9:00 ~ 12:00、 13:00 ~ 18:00、土日祝を除く)
Email: japan.marketing@jato.com

 

まとめ

新型コロナウイルスによる深刻な打撃を受けている自動車業界の中で、SUVとピュアEV又はプラグイン・ハイブリッドのセットが今年の欧州市場を牽引するのではないか。プラグイン・ハイブリッドはコストが高く不透明な部分が大きかったが、欧州各国の国策に対応するには従来のハイブリッド車では不十分である。特に高級セグメントにおいてシェアを拡大する傾向にある。欧州メーカーが日本国内でも続々とPHEVを発表する中、国内メーカーがどのように舵を切るのか?混沌とした世界情勢の中、今後も各メーカーの動向を注意深く見ていく必要がある。

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