こんにちは、ツネオキです。
本日は、整備工場の改善ポイント第5回「完全予約制へ移行しユーザビリティを向上する」をテーマにお伝えします。
前回、工程管理についてお話ししましたが、それはイレギュラーが多く発生することを前提としています。スマートフォンを一人一台持つ時代ですからカーディーラーや整備工場においても有効な手段だと考えます。
目次
整備工場やディーラーの悩み
曜日によって予約のばらつきがあり生産性が悪い
シフトと入庫台数のミスマッチが起こっている
飛び込み来店でのオイル交換などが多く、工程を組んでも機能しない
電話と来店で一日中、バタバタしている
人手が少ないので、急なお客様に対応できない。
待ち時間が長くなる傾向があり、不満足になっていないか心配
など悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そんな経営者の皆様に、一つの解決策として完全予約制をお伝えしています。
完全予約制のメリット
飛び込み来店が減少する
電話予約だけではなく、Webサイトで予約出来たり、アプリをつくれば予約率向上していく。
当日の予約枠も開けておけば、飛び込みではなく、家を出る前に予約する人が増えるでしょう。
整備工場の工程を混乱させる最大の要因を減少し、工程の修正をする量が減少する。
顧客の待ち時間の減少
顧客満足は時間の経過と共に期待値が上昇する。待ち時間が長ければ、それに見合う価値を提供しなければ、少々の不満を残して帰ってしまう。
小さな不満は爆発しないが、何かの拍子で噴出する。基本的に待ち時間が長いのは、不満の種を蒔いているようなもの。
待ち時間にサービスを提供できるならいいが、そうでない場合はオイル交換等で1時間以上はつらい待ち時間と考えるようにしたい。
3000円オイル交換で3000円のランチほどの感動と満足を提供することは難しい。車だから仕方がない、そういうものと言ってしまうことも出来てしまう。
富裕層向けの高級輸入車ならオイル交換で10000円を超えることもある。安全・安心なカーライフという大義だけでは、顧客満足は続かない。
ユーザビリティを追究し、待ち時間をどれだけ短く感じていただけるかが大切です。
「もう少し長居したい」という名残惜しさを残すくらいが丁度いいでしょう。
勤務シフトを最適化する
運用し続けると入庫の予測が立つようになります。
シフトで出勤者が少ないとなれば、あらかじめ予約枠を出勤が多い日に割り当てすることができる。
お客様が自由に予約できる便利さと、整備工場側が入庫をコントロールすることが両立することが可能となります。
工程管理の頻繁な見直しから解放され、働く環境の改善にも寄与します。
顧客のスケジュールアプリに記入される
最近はスマホアプリやGoogleカレンダーなどを利用している人は多い。
顧客のスケジュールの中に、自社の名前が入るというのはその月はずっと認知されていることになります。
このように、顧客のスケジュール管理ツールに入ることができれば、顧客が離脱していく確率は減少する。
3か月後でも次回の予定を入れてしまえば、顧客は他社への興味は薄らぐだろう。
これをしっかり実践しているのが、歯医者さんです。
急な歯痛での急患はあるが、基本的に完全予約制です。
精算時に次回のスケジュールを決めておくと、3日前くらいにリマインドの電話をくれる。リマインドは、スマホのショートメッセージを使ってもいいです。
さらに、顧客自身のスケジュールアプリのアラーム機能も助けてくれます。
これほど便利で優れたツールを活用しない手はありません。
電話以外の予約方法が必要な時代
最近の若い人は、スマホの電話帳に電話番号が入っていない人が多い。
LINEなどのSNSやチャットツールを使うので、電話番号がいらない。
電話するときもLINE電話などで済ませてしまう。
このような世代が車を運転する時代に入っているので、予約する手段を多様に持っておくことが、利用促進につながります。
予約を取るという仕事自体の改善も必要です。
お客様の生活スタイル、価値観は、10年前とは大きく変化していることをキャッチしましょう。
高度な営業支援ツールとなる
お客様がいつどんな用件で来店するのか事前にわかるメリットは計り知れない。
営業部門や保険部門と連携して、気が利くサービスをすることも可能です。
例えば、保険の更新が近いお客様が、事前予約されたらご来店の際に同時に手続きが可能です。あらかじめ電話等で必要な持ち物を案内できます。お客様は何度も来店売るという煩わしさから解放され、便利で気が利くお店と認識されるでしょう。
「ちょうどよかった」「あったらいいな」という顧客のかゆいところに手が届くサービスが可能となるでしょう。
サービス来店の完全予約化が進めば、さらに営業の予約来店も取り組みたい。
商談を事前に予約するシステムです。
サービス来店の予約システムが浸透すれば、商談予約への抵抗もすくなくなるでしょう。
すぐに成果を求めない
完全予約化は一度で完成するものではないです。顧客の声を聴きながら、何度も改善を加えてよりユーザビリティの高いものへと作り上げることが大切です。
2020年以降コネクテッドカーが世の中に普及し始めます。
従来の固定観念を取り除き、柔軟な発想でのサービス改善、改革が求められています。
お客様に浸透するまでは時間がかかるでしょうが、挑戦する価値のある取り組みです。
最後までお読みいただきありがとうございます。