いよいよ全国的に梅雨入りとなりました。
雨天時の運転は、天気のいい日に比べ注意が必要です。でもどれだけ注意しても、ドライバーの意思通りに車がコントロール出来るかは車のコンディション次第。
特に路面との唯一の接点であるタイヤのコンディションは重要。
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昨年6月のロードサービス出動件数
昨年6月の岡山県内のJAFによるロードサービス出動件数は、2,164件。その中で最も多い出動内容がタイヤに関するもので全体の23.8%を占める。
タイヤのトラブルはパンク、破裂、空気圧不足など。これはタイヤそのものが直接の原因となるトラブル。
タイヤのコンディション次第で事故につながる
雨天時は事故も多発する。今回のJAF岡山支部のタイヤ点検の呼びかけは、雨天時の事故を防止するためでもある。
近年の車はABSだけではなく、被害軽減ブレーキやレーンキープ、アダプティブクルーズコントロールなど先進技術が多く装備されている。これらの電子装置はすべてタイヤが正常である前提で動作している。タイヤそのもの性能が低下していると、コンピューターの判断と実際の制動能力に乖離が生じ、防げるはずの事故が起きてしまう。それだけタイヤの状態は安全性能を発揮するうえで重要な役目を担っている。
タイヤ交換時期は日頃のコンディション維持により変わる
空気圧不足による肩べり
タイヤ交換の時期は車種や走行環境にもよりますが、一般的に3万km~5万kmほどです。ただ実際は、日頃のメンテンナンス、点検の有無により同じ3万kmを走行した同車種でも、タイヤの状態は大きく変わる。一番多いのは、空気圧不足により肩べり。タイヤの中央は溝が残っていても、空気圧が不足するとタイヤが異常な潰れ方をして適切に路面を捉えることが出来ません。
残り溝不足
タイヤを使い切ろうと交換時期を延ばしたい気持ちは分かります。タイヤは、車の消耗品の中でも高額な部品の一つです。ただ残り溝が少ないと、雨天時は重大な事故を起こしかねません。タイヤの溝は、路面とタイヤの間に水の膜ができることを防いでくれる。適切に水を掻き出すためには十分な溝が必要です。以下はタイヤの摩耗状態による制動距離を比較したもの。
新品から5分山まではそれほど大きな違いは無かったが、タイヤ溝が2分山になると制動距離が約20m伸びているのがわかる。これに加えハンドル操作も効きにくくなるため非常に危険なことがわかる。
ちなみに写真一番下のテストはスタッドレスタイヤの結果。スタッドレスタイヤの場合残り溝が5分山でもラジアルタイヤの2分山以上に厳しい結果が出ている。スタッドレスタイヤでの雨天時走行は季節を問わずに注意したい。冬のシーズンが終われば履き替えるのが大切である。